2014年 05月 24日
新緑に埋もれる五月の東福寺
京都 東福寺。
臨済宗東福寺派大本山。
奈良の東大寺、興福寺に並ぶお寺を・・と造営され、「東」「福」の二字をとって名づけられました。
鎌倉時代には京都五山の一つに数えられています。
五山の中の建仁寺が詩や文学に秀でた僧侶を多数輩出したことから『学問面(がくもんづら)』、
武家の信仰が篤い南禅寺が『武家面(ぶけづら)』などと呼ばれましたが、
ここ東福寺は『伽藍面(がらんづら)』と呼ばれるほど、
立派な伽藍とたくさんの塔頭を有する大寺院です。
その名に恥じない三門と・・
こちらがご本堂。
本堂天井には龍。
ここ東福寺は京都有数の紅葉の名所。
秋には観光の皆さんでそれはもう大混雑なのですが、
この季節は静かで落ち着いた佇まいをみせていました。
けれど、さすがに紅葉が素晴らしいだけあって、今は緑が大変に美しい。
門の外、臥雲橋より・・
寺院内に入って通天橋から逆に臥雲橋の方を見てみる。
通天橋の下に下りてみる。
緑、緑、緑、
まるで緑の洪水です。
濃ーい緑でむせかえるよう。
お寺のすべてが緑の中に埋もれているようでありました。
これらの木々がすべて真っ赤に染まる秋も
さぞかし素晴らしいことでありましょう。
さて、800年近い歴史を誇る東福寺ですが、
方丈のお庭は昭和の作庭家、重森三玲の作。
方丈の東西南北、四方に庭があって『八相の庭』と呼ばれています。
東庭。
南庭。
西庭。
北庭。
人工的に真四角に刈りそろえられたツツジと
自然で荒々しいともいえる外の木々を塀一つで隔てて見せる西庭。
人工の極致の市松模様が徐々に乱れていく様を見せるかのような北庭を通り過ぎて、
ふと眼をあげると・・・
そこは深い谷底・・・
何百年の歴史の中ではぐくまれた侘び寂びのお庭も素晴らしいけれど、
昭和の庭も侮れません。
重森三玲、恐るべし!!
この南庭も絶対に庭の外の景色も意識してるよね。
塀の向こうに見える伽藍やその上の空・・
竜安寺の石庭が『閉じた庭』だとしたら、
こっちは『開かれた庭』だなあ・・・
などと、そんなことを考えておりました。
注)・・・とかいうのは、あくまでワタシが考えたことなので、
正しいお庭の説明については こちら をご覧くださいな。
そんなこんなであちこちゆっくり見ていたら、
他の塔頭も見学するはずが、
この東福寺だけで三時間!!
この日の見学はここだけで切り上げて、
あとは食べまくりの旅へ・・・・
by michirudesu
| 2014-05-24 17:26
| 京都な日常