2011年 03月 02日
京都の陰
きらびやかな昼間の面の裏側に
魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)する
ひゃあ、すごい漢字や!絶対に書けヘンわ。。
陰の面もあわせ持っています。
そんな、ちょっと不気味さを感じるようなスポットをひとつ。
帷子辻(かたびらつじ)
嵯峨天皇の皇后であった橘嘉智子(たちばなの かちこ)は仏教の信仰が厚く、檀林寺を建立したことから「檀林皇后」と呼ばれた。
伝説によると、檀林皇后はすばらしい美貌の持ち主でもあり、恋慕する人々が後を絶たず、修行中の若い僧侶たちでさえ心を動かされるほどであった。
深く仏教に帰依していた皇后はこうした状況を憂い、
この世は無常であり、すべてのものは移り変わって、永遠なるものは一つも無い
ということを自ら示して人々の仏心を呼び起こそうと、
死に臨んで、自分の亡骸は埋葬せず、どこかの辻に打ち棄てよと遺言した。
遺言は守られ、皇后の遺体は辻に遺棄されたが、
日に日に腐り、犬やカラスの餌食となって醜く無残な姿で横たわり、白骨となって朽ち果てた。
人々は世の無常を心に刻み、僧たちも妄念を捨てて修業に打ち込んだという。
皇后の遺体が置かれた場所が、以後「帷子辻」と呼ばれた。
写真・文 ウィキより
人間がその死後、いったいどのような経過をたどって朽ち果てていくのか
そのことを、克明に観察して記録した
九相図(くそうず)というものがありますが、
檀林皇后九相図 京都市 西福寺蔵
もともと、鳥辺野、あだし野などは平安京都の風葬の地。
そこに打ち捨てられた死体は生前の美醜にかかわらず、
みな同じ経過をたどったのでありましょう。
さて、さんざん脅かしといてナンですが、
現代の帷子辻は、こうでしたよ。
わざわざ見に行ってる私も私なんですけどね・・
現代の『帷子の辻』は、なんということのない普通の交差点でしたわ。
こちらが嵐電の帷子の辻駅
それがどうした!でしたね。
すみません。。。。。
さて、不気味・・というか不思議ゾーンをもうひとつ。
嵐電に乗ってまたひと駅、ふた駅で降りると
木島(このしま)神社という神社に行くことができます。
この地は、かつて秦氏が陶芸や養蚕の技術を持ち込んだ地。
この神社の中にも蚕を祀った蚕養(こかい)神社があり、
蚕の社(かいこのやしろ)と呼ばれることも多いです。
・・と、それはそれとして、ここには不思議な三本脚の鳥居があることで有名です。
神さまに通じる入り口ともいえる鳥居。
それが三本というのは、どちらから見ても正面になるように・・とも受け取れますが、
これでは入ったら出口がないではありませんか。
しかも真ん中に御幣・・・
まるで何者かを封じ込めているかのような・・
さらにまわりには竹囲いに御幣付き。
観光客が近付かないようにだとも思えますが、
近づかないようになのか、出られないようになのか・・・
そんなことを考えながら
うっそうとした暗い神社の森のなかにいると、
ブルブル・・
なんだか背筋が寒くなってくるのでありました。
皆さんも行かれるなら、ぜひ夕方にどうぞ。
・・て、怖がらせてどうする!!
by michirudesu
| 2011-03-02 11:46
| 京都な日常